こんにちは、管理人のRです。
この記事では、
「ROASってなに、、?」
「普段使わない指標だけど、いまさら誰かに聞くのも恥ずかしくて、、」
という方に向けて書いています。
この記事が、少しでも参考になればうれしいです。
目次
〇ROASとは?
ROAS(ロアス)とは、Return On Advertising Spendの略で、日本語に直訳すると「広告費の見返り(費用対効果)」です 。ここでいう見返りとは、売上のことを指します。
また、少しかみ砕いた表現をすれば、ROASは「広告費1円に対し、何円売り上げたかを割合(%)で表したもの」です。マイナスになることはなく、ROASが100%以下の時は「売上より広告費の方が大きい」ので、赤字確定状態ということになります。
…文章で説明すればこういった内容になるのですが、「…よくわかんない!」と思われた方も多いと思います。
おそらく文字よりも数式を見ていただいた方が早いと思いますので、さっそく下記ご覧ください。
〇ROASの計算方法
ROASは、下記のような計算式で求めることができます。
ROAS(%) = 売上(円) ÷ 広告費(円) × 100(%)
これを試しに計算してみましょう。
1. ROASの計算例
例えば、売上と広告費が下記のような規模感だった場合、
売上(円):1,000,000円
広告費(円):500,000円
ROASは下の式のようになります。
ROAS(%) = 売上 ÷ 広告費 × 100 = 1,000,000 ÷ 500,000 × 100 = 200(%)
これだけです。計算自体は、そこまで難しくはないのではないでしょうか?
2. ROAS計算時の注意点
ただここで、気を付けておくべきポイントがひとつあります。
それは、ただの計算脳になってROASを求めていては「200%が答えって出たけど、結局この数字は良いの?悪いの?」となってしまうことです。
計算の答えが出た後は「ROAS200%か。。50万広告費で使って100万の売上だから、差額の50万に原価やフルフィルコストなどが収まっていたら利益が出ているということか」と頭の中で反芻することをオススメします。
特に、自社商品の原価やフルフィルコストなどを事前に把握しておけば、「ROASは下限○○%までは広告費で使っても利益が残るから、、」と考えることができ、件数(※)ではなく売上観点での費用対効果を知ることができます。
とはいえ、特に未経験者の方は「そんなに一度に考えられない!」という方もいらっしゃると思います。そういった方は、まずは「ROASが100%を下回ったら、確実に赤字」とだけ覚えておきましょう。
※
件数観点で費用対効果を見ていきたい場合は、CPAを指標にすることをオススメいたします。
CPAについては、下記記事をご覧ください。
http://dotsmarketing.net/2021/09/29/cpa_toha/
〇ROASとROIの違い
ここまでROASについてお話してきましたが、似たような指標にROI(アールオーアイ)というものがあります。
1. ROIとは
ROIは、Return On Investmentの略で、日本語では「投資の見返り」という意味になります。ここでいう見返りとは「利益」です。(※ROASでは、見返りは「売上」だったことに注意です。)
こちらもざっくり言い換えると、「広告費1円に対し、利益はいくらかを割合(%)で表したもの」と言えます。
なんとなくお察しかもしれませんが、ROIは、ROASでは売上で計算していたものが利益に差し変わっただけです。
2. ROIの計算例
ROASの例を応用して計算してみますね。
例えば、売上と広告費、利益が下記のような規模感だった場合、
売上(円):1,000,000円
広告費(円):500,000円
利益(円):100,000円
ROIは下の式のようになります。
ROI(%) = 利益 ÷ 広告費 × 100 = 100,000 ÷ 500,000 × 100 = 20(%)
こちらも計算自体は簡単と思いますが、計算後「ROI20%か。。広告費50万だと10万の利益だから、広告費500万にしたら100万の利益になるかもな。。」と、ぜひ反芻してみましょう。
3. ROI計算時の注意点
ROIの注意点として、ROIはマイナスになりうるということです。
理由は、売上は「計画に対しマイナスで着地した」という言い方はしますが、売上の絶対値はマイナスにはならないですよね。一方で、利益は売上から費用を引いたものですから、費用の方が大きければ容赦なくマイナスになるからです。
ROIがマイナスになったからと言って、計算ミスではないかもしれませんのでご注意ください。
4. ROASとROIの違い
ここまでの内容をまとめると、ROASとROIの違いは下記表のとおりになります。
5. ROASがプラスでも、ROIがマイナスになる!?
最後に、突然ですが1つクイズです笑
ROASがプラスでもROIがマイナス、というのはあり得るでしょうか?
ちょっと考えてみてください。
…
……
答えは出ましたでしょうか?
正解は、「あり得る」です。
間違えてしまった方は、ぜひもう一度それぞれの違いを振り返ってみてください。
簡単な例で解説しますと、あなたがお店を初出店することになり、売上目標が100万円だったとします。
この時、「絶対売上目標達成するぞっ!」と意気込み、広告費を1,000万円つぎ込んだとします。単純計算でいえば利益は100万円 – 1,000万円 = -900万円ですので(便宜上、原価やフルフィルコストなどは無視しています)、
ROAS = 1,000,000 ÷ 10,000,000 ×100 = 10%
ROI = -9,000,000 ÷ 10,000,000 × 100 = -90%
との計算結果になります。(ぜひ計算してみてください)
こんな時、「ROASがプラスでもROIがマイナス」の状態が生まれるのです。
こうなってしまっては、お先真っ暗なビジネスになりかねません。
「初出店だから、戦略的にあえて広告費を多くに使ったんだ!利益はこれから回収できる!」ということであれば全然OKと思いますが、「気づいたら利益がマイナスに、、」とならないよう、それぞれの指標の特徴を理解しつつKGIやKPIの指標として活用するようにしましょう。
〇おわりに
いかがでしたか?
ROASは、たとえ広告を出稿していたとしても、業種によってはほぼ使わない指標でもあるので、ある程度社歴のある方でも「あれ、なんだっけ、、?」となることがあると思います(実際、私もそうでした笑)。
ただ、新しい指標を知識として身につけるだけで、費用対効果について様々な角度の考え方ができるようになります。これを機に、ぜひ覚えてくださいね。
それでは、最後までご覧いただきありがとうございました~!