この記事は、
「マーケティングの仕事ってなくならないの?」
「AIがすべてのマーケティング業務をカバーしてしまうのでは、、」
という方に向けて書いています。

私はマーケター歴5年の現役フリーランスマーケターです。マーケティングを生業としている私が、この仕事がなくなるかどうか考察をしてみました。

本記事は、あくまで個人的な意見になります。
この記事が少しでも参考になればうれしいです。

【結論】マーケティングは形を変えて残り続ける

AIと男性がチェスをしている様子

結論から言うと、マーケティングの仕事は「形を変えて残り続ける」と考えています。少なくとも、世の中にある様々な仕事の中では、食べていく分には比較的困らない職種でしょう。

そのため、最近マーケティングの担当になった方や、これからマーケターになりたいと考えている人は、絶対とは言い切れませんがしばらくの将来性はご安心頂いて大丈夫かなと思います。

なお、ここでいうマーケティングとは「売れる仕組みづくり」のことであり、「誰に」「何を」「どのように」届けるかを考えて実行するのがマーケターの仕事と考えて頂ければと思います。

以下、この結論に至るまでの理由を解説していきます。

マーケティングの仕事がなくなると言われるのはなぜ?

ロボットの写真

そもそも、なぜマーケティングの仕事がなくなると言われるのでしょうか?
まずはその理由についてご紹介します。

AIの進歩

まず大きいのが、AIの進歩です。

マーケティング業界誌や本屋でビジネス書コーナーなどを見ていると、いまやAIの文字を見ないことの方が珍しいでしょう。私も仕事でWEB広告運用などをしていますが、多くのWEB広告ではAIによる機械学習が備わっており、配信をしているだけで目的に沿った広告の効率化が進みます。またGoogle広告などは、予算やキーワード選定について、管理画面上で「こうした方が効率よくなりそうですよ」という提案もしてくれます。

さらに2023年2月現在、AIが非常にクオリティの高い絵を描いてくれたり、ChatGPTのように質問するだけで答えを教えてくれたりといった、目覚ましい進歩が注目されています。

試しにChatGPTで、マーケティング戦略についてAIに雑に投げかけてみたところ、下記の回答が返ってきました。

ChatGPTにマーケティング戦略を教えてもらったやり取り

もう少し範囲を絞った質問をすると、より具体的な回答もしてくれます。

いずれにしても、AIはすでにマーケターの仕事の一部である広告運用やクリエイティブ製作、戦略立案といった領域をカバーし始めています。

これからさらに進化していくことを考えると、マーケティングの仕事がなくなると考えてしまうことも自然でしょう。

MAなどSaaS系の充実

AIも一部絡んでいますが、MA(マーケティングオートメーション)の市場拡大も要因の一つでしょう。

私は現在、とある仕事でSaaS系の事業開発の案件に携わっているのですが、市場調査をしていると非常に多くのMAサービスが見つかります。

例えば、シナリオ作成やメルマガの自動化など、マーケティング施策を効率化するためのたくさんの機能がついていて、そのMAツールを使いこなせばマーケティング業務の仕組み化ができるツールや、あるいは機能自体は多くないもののシンプルで安く使いやすいツールなどもあったりします。

「HPを訪問された見込み顧客には電話をしよう」「この人はまだ商品を購入されなさそうだから、メルマガでお役立ち情報を発信しよう」など、MAを使って仕事の自動化が可能になり、マーケターを採用する企業が減るかも、という仮説が考えられるのも納得です。

マーケティングの仕事がなくならないと考えられる理由

ロボットと人が手を触れようとしている写真

では、なぜAIやMAサービスが成長しても、マーケティングの仕事はなくならないという結論なのでしょうか?

それは、下記3点が考えられるからです。

管理者が必要

体感ですが、AIにしてもMAにしても、少なくとも向こう数年は人間による管理が必要でしょう。

例えば、あなたが会社の社長だとして、広告予算に月1,000万円を使っている状況を想定してみましょう。そのとき、AIに「1,000万円渡すから最善の集客をしてね」と気軽に依頼できそうでしょうか?

おそらく難しいのではと思います。また、もし依頼したとしても、下手な運用をしていないか日々管理する人を配置するのではないでしょうか。

つまり、広告運用などの一部はAIが巻き取ったとしても、結局はどんな運用をしているのか、運用の中身を理解している人がAIを管理するという仕事が発生します。

AIをマネジメントする仕事がうまれる、これが理由の一つです。

万人が使いこなせるものではない

ロボットがダンスしている写真

理由の2つめは、AIやMAは誰でも使いこなせるわけではない、という点です。

おそらくこの記事を読んでくださっている方は、マーケティングに一定のなじみがあるからこそAIの脅威を感じると思うのですが、視野を広げるとマーケティングも一つの職種にすぎません。マーケティングに全く馴染みがない方や、マーケティングは横文字ばかりで難しいものと考えている方も多くいらっしゃいます。

実際、私がお手伝いしている支援先の多くでは「マーケティングってよくわからなくて~…」と言われることが非常に多いです。マーケティングが重要なのはわかっていても、日々の仕事に追われて勉強する時間もない、といった状態です。そういった方が、先ほどのChatGPTで「セグメンテーションは~」や「適切なチャネルで~」と聞いても、混乱してしまいます。

もちろん、追加でAIに単語一つ一つを改めて質問すれば解決していくことも可能ですが、であればAIの提案をすぐに咀嚼し、正しく活用してくれるマーケターがいた方が早いよね、となるだろうと感じるのが2つめの理由です。

個人としても生きていける

私自身がそうなので思うところで、マーケターは会社に縛られず、個人としても生きていくことができる職種です。

冒頭でお伝えした通り、マーケティングは「誰に」「何を」「どのように」を考える仕事です。今の時代、Youtuberやインフルエンサー、ブロガー、アフィリエイターなど、組織に縛られずに個人で生きていく方法はたくさんあります。そして、それらの方法に共通するのは、マーケティングの考え方です。

「誰に」「何を」「どのように」届けるかという考え方に慣れておけば、仮にAIが企業のマーケティング部門を占領しても、マーケティングで得た知識を別の道で大いに役立てることができるでしょう。

まとめ

ロボットと人間が乾杯している様子

いかがでしたか?

日々ニュースや業界のトレンドを追っている方ほど、AIの進歩は凄まじいものと感じていることと思います。ただ今回お話した通り、たとえ自動化が進んでも、AIの管理業務や別の道に応用できるのがマーケティングという仕事です。

数年後、マーケティングの仕事は今と少し変わっているかもしれませんが、売れる仕組みづくりという本質は変わらないと思いますので、ぜひマーケターとしてのキャリアを安心して歩んでいってくださいね。

それでは最後までご覧いただき、ありがとうございました~!