こんにちは、管理人のRです。

この記事では、
「CPAってなに?」
「新しくWEBマーケ担当になったけど、専門用語ばかりでよくわからない、、」
という方に向けて書いています。

初心者の方でも理解しやすいよう、言葉をできるだけ噛み砕いて書きましたので、ぜひ最後までご覧ください!

〇CPAとは?

CPA(シーピーエー)とは、Cost Per Actionの頭文字をとった言葉で「顧客獲得単価」と訳されます。簡単に言うと、「1アクション(購入やサービス登録)発生させるために必要なコスト」という意味です。

また、よくCPOと混同して使われることがあります。CPOはCost Per Orderの略で、「1購入発生させるために必要なコスト」です。つまり、CPOはOrder(注文)のみ考えられたピンポイントな考え方で、CPAはOrderだけではなく、サービス登録や入会といった内容も含んだ広い意味を持ちます。

物販系ECなどは、注文数をカウントしている場合が多いと思いますので、そこまで気にすることはないでしょう。

〇CPAの重要度と考え方

それぞれの事業によってKPI(目標)やビジネスモデルが違うので一概には言えませんが、物販系ECであればCPAはほぼ確実に使う言葉で、非常に重要です。

もし「実は、ときどき忘れてしまって…」という方は、これを機に頭に叩き込んでおきましょう。

考え方は、そこまで難しくありません。

先ほど定義をお話した通り、CPAは「1アクション(購入やサービス登録)発生させるために必要なコスト」 です。
つまり、広告費3,000円かけて1件の注文を獲得できたなら、CPA=3,000円ということになります。

CPAは安ければ安いほど良いので、いかにCPAを下げることができるか、これが広告運用担当者の腕の見せ所となるでしょう。

〇CPAの良いところ

WEBマーケティング業界には、非常に多くの専門用語がありますが、その中でもなぜCPAは多用されるのでしょうか?
利点をあげてみました。

①理解しやすい

CPAは「どの広告が、一番効率よくCV(コンバージョン)につながる後押しができたか」という問いに対して、非常にシンプルに答えてくれる指標です。そのため、多数のクリエイティブを並べて「どれが一番良かった?」と調べるとき、CPAを見れば一目で判断できます。

②伝わりやすい

①と重なる理由にもなりますが、理解がしやすいため、上司やパートナーも同じように状況を把握することができます。CPAを共通言語とすることで、次のステップへPDCAを早く回すことができます。

つまりシンプルに、CPAはわかりやすいから、ということですね笑

〇CPAの注意点

前述の通り、CPAはわかりやすいため頻繁に使われる指標ですが、CPAだけを追えばよい、というわけではありません。注意点として、下記があげられます。

①どんなに売り上げ貢献をしても、CPAは変わらない。

例えば、とある化粧品の「単品購入」「3本まとめ購入」「定期購入」を1つのLP(ランディングページ)で同時に販売していたとします。当然、広告主としては 「単品購入」 より 「3本まとめ購入」「定期購入」 を買っていただいた方が、売上や投資回収面でありがたいはずです。

ただここで、CPAだけを追っていると、どの注文が入ってもCPAは同じ結果になります。その時、場合によっては「単品ならこのCPAでは赤字だけど、3本セットなら黒字だから、もうちょっと早くわかっていれば追加投資できたな…」なんてこともあり得ます。

シンプルに売り上げも一緒に追っていくでも良いですし、ほか平均注文単価やリピート率、LTV、ROASなども確認し、投資回収の観点でも見ていけるとよいでしょう。

②認知や間接効果用の広告に、予算が寄せられない

CPAは低ければ低いほど良いのですが、低さだけを追求するのもよろしくありません。

CPAを下げたい場合、「○○(商品サービス名) 口コミ」「 ○○(商品サービス名)  評判」といった商標ワード(商品やサービス名を含んだワード)で検索する人たちにひたすら広告を当てていけばよいでしょう。

しかし、商品を知っている人の数には限りがあり、そのターゲット層ばかりに広告を当てていると、すぐに枯渇してしまいます。そうなると、CPAは悪化し、さらには「またこの広告か、、なんかしつこくてウザいな。。」という風に思われる可能性も高くなってしまいます。

そのため、ある程度は認知用広告の予算も確保しつつ、「獲得目的の広告ならCPA○○円程度」「認知~準獲得目的の広告ならCPA○○円程度」と、バランスを見て運用していくことをオススメします。

③質の低い獲得手法や広告になる

また、獲得することに重きを置きすぎて、2回目購入以降の流れを全く見ていないのも問題になります。

例えば、「諦めていたシミ・シワが、○○をつかったらなくなった!」とか、「姉妹と間違われた母親の、若さのヒケツとは!?」みたいな広告を見たことはないでしょうか?

訴求内容にインパクトがあればあるほどCPAは下がるので、「新規顧客を獲得する」という観点では非常に有効かもしれません。ただし、広告表現にウソがなければよいのですが、もしウソがあると消費者は「使ったけど、全然シミ・シワ消えないじゃん(怒)」とネガティブな印象を持ちます。そうすると、ブランドイメージの低下やリピート率の大幅低下(投資回収の難化)、クレーム、ひどい場合は訴訟問題になります。また近年、媒体側もそういった危ない広告をどんどん取り締まっていて、年々規制が厳しくなっています。

デメリットがあまりに大きすぎるので、いくらCPAを下げたいからと言って、ブランドイメージを害すような広告の使用は絶対に避けましょう。

〇CPAを計算してみよう!

ここまでCPAそのものについてお話してきましたが、実際に計算してみましょう!

下記は、広告主側の現場担当者が毎日のように受ける、パートナーさんからの提案例です。

提案例1:

▼運用型広告を委託しているパートナーさまより、下記のようなご提案。
============
今月希望委託予算:100万
想定獲得件数:50件
============

(通常、CPAも一緒に書いてくださることが多いですが、例題ということで、、笑)

このとき、CPAはいくらになるでしょうか?
早速、計算してみましょう。

CPAは「Cost Per Action=1件あたりにかかるコスト」の略でしたね。
つまり、合計コストを合計件数で割り算すれば、1件あたりのコストが計算できるので、

CPA = ( 今月希望委託予算 ) / ( 想定獲得件数 )

   = 1,000,000円 / 50件

   = 20,000 円 / 件

となります。

提案例2:

次はちょっと難易度上げてみましょう。

▼ASPからセミアフィリエイトのご提案。
============
対象サイト/ページ:○○.com/△△  ※「○○ おすすめ」SEO1位
想定PV数:50,000PV
強化施策:PR枠に掲載
固定費:300,000円
成果単価:4,000円/件(グロス、税別)
想定獲得件数:100~150件
============
※グロス・・・広告主が実際に支払う金額のこと。一方で、メディアが受け取る金額は「ネット」といいます。グロスとネットの差額がASPの手数料となります。

…ちょっと、と言いつつ難易度上げすぎたような気もしますが笑、
こういった提案は非常に頻繁に受けますので、例題にしてみました。

CPAの求め方について、基本的な考え方は例題1と全く同じです。
「Cost Per Action=1件あたりにかかるコスト」
これさえ頭の真ん中に置いておけばOKです。

今回は想定件数に幅があるので、2つに分けて考えます。

①想定件数が100件の場合:

CPA = (コスト) / (件数)

   = (固定費 + 成果単価×100件) / 100件

   = (300,000 + 400,000)円 / 100件

   = 7,000 円 / 件

②想定件数が150件の場合:

CPA = (コスト) / (件数)

   = (固定費 + 成果単価×150件) / 150件

   = (300,000 + 600,000)円 / 150件

   = 6,000 円 / 件

③答え

CPAは6,000円~7,000円の間

となります。

あとは、この効率が自社にあっているかどうか、またそもそも本当に100件~150件獲得できそうなのかを見極めて、施策実施可否を判断すればOKです!

最初は「その見極め方がわからんのじゃ!」という状態かと思いますが笑、
そのときは素直に上司へ相談したり、ASPの担当者へ「正直、想定件数のミニマム100件を超えられるか不安でして、、想定件数の根拠や、いま同じ枠に掲載されている競合商材の進捗をお教え頂くことは可能ですか?」と聞いてみましょう。

競合の進捗を具体的に教えてくれることはないと思いますが、代わりにきっと参考になるデータを示してくれますよ!

〇おわりに

いかがでしたか?

CPAは、WEB業界では一番最初に覚えるべき用語といっても過言ではないぐらい重要な指標です。一方で、いざCPAや専門用語の勉強をしようとしても、インプットはできても練習問題のようなアウトプットできる環境は少ないのでは?と思います。

これから後輩が入ってきて「CPAって何ですか?」と聞かれたとき、しっかり答えられるようにしておきましょう。

それでは最後までご覧頂き、ありがとうございました~!