こんにちは、管理人のRです。

この記事では、
「ポジショニングってなに?」
「ポジショニングマップって、どうやって作ったらいいの?」

という方に向けて書いています。

この記事は(一財)ブランド・マネージャー認定協会のテキストをもとに書いています。
また管理人は、ブランド検定3級資格取得者です。

〇ポジショニングとは?

(一財)ブランド・マネージャー認定協会によると、ポジショニングとは下記のように定義されています。

「ポジショニング(positioning)」は、「位置を定める」の意味。具体的には、「ポジショニングマップ」と呼ばれる、座標を示した図を製作し、競合と自社の商品・サービスを、座標空間上に位置付けていきます。

スポーツなどでよく使われる「ポジション」という言葉ですが、マーケティングにおいても意味合いは同じです。競合他社も含めた市場のなかで、自社はどの位置づけにあるのかを明確にしておきましょう、という意味合いで使われています。

「ポジショニングマップ」というのは、のちほどお話しますね。

また、ポジショニングはSTP分析の最後の要素(P:Positioning)でもあります。

ポジショニングは、手前の「S(Segmentation)」と「T(Targeting)」がすでに行われていることが前提の考え方でもあるので、その2項目についてまだ知らないという方は下記記事をご覧ください。

▼セグメンテーション(Segmentation)とは?
https://dotsmarketing.net/2021/10/14/segmentation_toha/

▼ターゲティング(Targeting)とは?
https://dotsmarketing.net/2021/10/15/targeting_toha/

〇ポジショニングの目的

ポジショニングの目的は、市場の中で自社がどの位置を目指すのか(またはすでに存在するのか)を把握し、差別化ポイントをはっきりさせるためです。

「自社は○○の点で、明確に他社と違うんです!」と語ることができれば、ちょうどそのニーズのある顧客にとっては非常に魅力的です。

逆に、その明確さを表すことができなければ「別にこの商品じゃなくてもOKだよね?」と考えられてしまい、他の商品を探してしまいます。

そのため、ポジショニングで競合他社とどのように明確な線引きができるかを知っておけば、消費者に対し非常に有利なアプローチができます。

ちなみに少し余談ですが、孫氏の格言に下記のようなことわざがあります。

故に曰く、
彼を知りて己を知れば、百戦して殆(あや)うからず。
彼を知らずして己を知れば、一勝一負す。
彼を知らず己を知らざれば、戦うごとに必ず殆うし。

(現代語訳)
孫子は言う。
敵情を知って味方の事情も知っていれば百回戦っても危険が無く、
敵情を知らないで味方の事情を知っていれば勝ったり負けたりし、
敵情を知らず味方の事情も知らないのでは戦うたびに必ず危険になる。

ポジショニングにおいても、まさに同じことが言えますよね。

ビジネスを成功させるためにも、自社と競合について理解し、いかに優位性を築くか、ぜひ把握しておきましょう。

〇ポジショニングのとり方

では早速、どのようにして自社のポジションを確保するかをお話していきます。

この時、「ポジショニングマップ」を使うのが一般的です。

▼ポジショニングマップの作り方

ポジショニングマップでは、縦軸と横軸を用意し、それぞれの軸端に商品の機能や特徴、ターゲットの価値観を記載します。ちょうど、下記のような図のイメージです(☆が自社、色のついた〇が他社です)。

今回は「機能的価値」のみで説明しますが、「情緒的価値(ターゲットがブランドにどのように思うか)」のマップも作るとなおよいです。

ポジショニング(マップ)の目的は差別化ポイントを明確にすることなので、競合とかけ離れている位置取りができていることが重要です。

①軸の設定

上記のような図を作成するためには、まずは軸を検討します。

軸は、ターゲティングにて選定した市場の要素をベースに検討すると、進めやすいでしょう。

ターゲティングの選定は、下記のような表で完了していることが前提です。

②自社と競合を評価(ポジション確保)

軸の選定が完了したら、実際に自社と競合の位置取りをしてみます。

いきなり位置取りをするのが難しい場合は、競合商品やサービスにどんなものがあるかを洗い出して、設定した軸に対して10点満点で評価点をつけていくとよいでしょう。

そうすると、例えば「競合A:香り8点、しっとり1点(さっぱり寄り)」と客観的に点数化され、位置が自動的に決まってきます。

位置取りは主観要素が入ると正しい分析結果ではなくなってしまうので、少し不安だなという方は点数化する方法をオススメします。

いずれにしても、自社と競合他社の位置取りが完了し、自社がうまく際立っていればOK、そうでなければ軸の見直し、といった流れになります。

〇ポジショニングマップを作るときのポイント

ポジショニングマップを作るとき、下記のような点を意識するのがポイントです。

  

1. 自社の強みから軸を考える

冒頭でもお伝えした通り、ターゲティングの目的は差別化ポイントをはっきりさせることです。

そのため、まずはターゲティングで狙いを定めた要素の中から、特にこだわりたいものから順に軸の候補として検討していくことをオススメします。

自社の強みやこだわっている要素で他社との違いを明確にすることができれば、一部領域では独占に近い状態でビジネスをすることができます。

そうして完成したポジショニングマップは、非常に納得感のあるものが出来上がっているでしょう。

2. 直接競合だけでなく、間接競合も考える

3C分析をすでにされている方はご存じかもしれませんが、競合には「直接競合」「間接競合」の2種類存在します。

例えば、マッサージ機を販売している企業が「価格が安い×全身の疲れが取れる」という軸で差別化を図ろうとした場合、まずは同じ訴求のできそうな競合のマッサージ機を調べると思います。

ただ、「全身の疲れが取れる」というニーズに対しては、マッサージ店や温泉、お風呂の入浴剤なども候補にあがってくる可能性があります。

そのため、「安価×全身の疲れが取れる」で訴求している直接競合はいなかったから大丈夫だろう!と判断して事業を広げようとしてしまうと、消費者は「入浴剤買って、お風呂でのんびりした方が良いな~」と思い、事業が失敗してしまう恐れもあります。

消費者目線で、直接競合以外にもニーズを満たすことができそうな間接競合も、考えるようにしましょう。

ちなみに、3C分析、直接競合や間接競合について詳しく知りたいという方は、下記記事をご覧ください。
https://dotsmarketing.net/2021/10/10/3c_bunseki_toha/

〇終わりに

いかがでしたか?

ポジショニングは自社の強みを理解しておくだけでなく、競合他社についても把握することで初めて検討することができます。

ポジショニングマップを作成し、明確な差別化を図ることができればビジネスの成功に一気に近づきますので、ぜひしっかりと考えてみてくださいね。

それでは、最後までご覧いただきありがとうございました~!