この記事では、
「ブランド・イメージってなんとなくわかるけど、なんかふわっとしてる。。」
「ブランド・イメージってなに??」
という方に向けて書いています。

この記事は(一財)ブランド・マネージャー認定協会のテキストをもとに書いています。
また管理人は、ブランド・マネージャー1級資格取得者です。

ブランドマネージャー1級の資格証明書

〇ブランド・イメージって?

ブランド・マネージャー認定協会では、ブランド・イメージを下記のように定義しています。

企業が消費者・顧客に対し「刺激」を与えると、「反応」が生まれる。この「反応」が積み重なったものが「ブランド・イメージ」である。「ブランドイメージ」は、企業と消費者・顧客のコミュニケーションの中で醸成されるものである。

上記でいう「刺激」とは、そのブランドを想起させるすべてのものが当てはまります。例えば、バス停や電車の広告、テレビCMなどですね。それらに消費者が接触し、記憶となって認知となります。それが「反応」です。

反応が積み重なると、「高級そう」「高機能そう」「あの芸能人が起用されている」という印象が生まれます。それがイメージ、というわけです。

また、商品購入やサービス利用前の認知だけでなく、その後もCRM(リピート戦略)に接することで「よくメルマガ送ってくるブランドだな」「この前カスタマーサポートに連絡したら、とても良いサポートだったな」と新しい印象が生まれ、それもまたブランド・イメージになります。

〇ブランド・イメージの役割

虫眼鏡を囲んで調べものをしている写真

ブランド・イメージは、あくまで「消費者」が主語になるので、その消費者の購買活動に大きく影響します。当然、良い印象を持てば買う可能性は高いですし、悪い印象を持てば買わないですよね。

それだけでなく、その消費者がSNSやレビューなどで口コミを書けば、良いことも悪いこともそのまま拡散されます。特にいまの時代は企業発信の広告の信憑性が下がり、消費者の生の声が購買行動に強い影響力を持っています。あなたもオンラインで商品を買うとき、星の数やレビューを見てから商品を買いませんか?つまり、「うちのビジネスモデルは利益一発回収型だから…」という考え方では、レビューに低評価がつくことで徐々に新規獲得すらもできなくなり、長期的なビジネスとしては難しくなっていくでしょう。

全消費者からのイメージを良くすることは難しいですが、良いイメージを与えられれば資産になると考え、可能な限り丁寧なコミュニケーションを心がけていきましょう。

〇ブランド・イメージはコントロールできない?

子どもがテレビCMを通じてブランドイメージを受け取っている写真

結論から言うと、ブランド・イメージはコントロールすることができません。

もちろん、企業側は「私たちにこういう印象を持ってね」と発信する努力は必要ですが、ブランド・イメージの主語はあくまで「消費者」です。そのため、集団マインドコントロールでもできない限り無理です。笑

別の言い方をすると、ブランド・イメージは企業側の活動が消費者へどのような印象を与えたか、という結果論になるので、マーケティング活動後「消費者へスムーズにブランド・アイデンティティを伝えられていたか」「消費者や顧客に想定外の解釈をされていた場合、次回調査までにそれをどう軌道修正させるか」という順序で使用するものだ、と考えると良いでしょう。

〇ブランド・イメージを調べる前に

ブランドイメージを調査しようとしている写真

「よし、とりあえずブランド・イメージについて調べよう!」と思った方、調べる前に下記2点を明確にしておきましょう。

  1. 調査目的
  2. ブランド・アイデンティティの明確化

1. 調査目的

調査目的は、「そもそもなぜ調査をするのか?」「調査して何を知りたいのか?」を明確にしておくべき、という意味です。例えば、誰からのイメージを知りたいのか(リピート顧客or新規顧客、性別、年齢、地域、職業、家庭環境等)、それによって調査対象や質問項目が大きく変わります。あらかじめ目的を定めておくことで、より活かせる結果が得られるでしょう。

2. ブランド・アイデンティティの明確化

ブランド・アイデンティティの明確化は、「自分たちは、消費者からどんなふうに思ってもらっていたいか」をあらかじめ決めておきましょう、という意味です。これを定めていないと、せっかくアンケートを実施しても「ふ~ん…」という結果になりかねません。

最初から「こう思ってもらってたいよね」という考えを決めておき、アンケート結果と合っていたこと or 合っていなかったことのズレを確認することで、「じゃあ合っていなかった箇所を修正していくためには~、」という話ができるようになります。質問の項目設定時ぐらいには、ある程度想定案を固めておくと良いでしょう。

〇ブランド・イメージの調査方法

ビッグデータで調査することを例えた写真

調査方法について、新規顧客や世論を知りたければ調査会社に依頼するのが最も簡単でしょう。ただし、当然ながら費用が発生してきます。私の経験上、最低でも30万円、質問数やサンプル(回答者)数が多い場合は100万円以上発生する感覚です。調査会社もたくさんありますので、いくつか見積もりを取りつつ、決めていくのが良いでしょう。

既存顧客への調査は、メール配信や自社HP、SNSなどで告知し、Googleフォームで回答頂く流れがおススメです。無料ですし、私もこれまで何度か実施した事がありますが思いのほか回答率が高く、「みんないい人たちだなぁ」と思いながら、回答を収集していました。笑

また、回答者に抽選で○○名様に景品プレゼント!みたいな方法で回答率UPを狙うやり方もあります。ただし、これは一長一短かなと思います。

メリットは回答率が上がるので、まだ顧客数の少ないブランドにとっては母数を溜める有効な手段でしょう。

デメリットは、フルフィルメントを含めた景品分のコストや調整工数が発生すること、アンケート回答者の中に一定数景品目当ての消費者のニーズが混ざってくること、この2点です。とくに後者は、調査目的にもよりますが注意が必要です。

まずは景品なしでトライし、回答が集まらなければ景品アリで再チャレンジする、というのが一番良いかもしれませんね。

〇おわりに

駒を消費者顧客に例えた写真

いかがでしたか?

ブランド・イメージは、良くも悪くも完全にコントロールできないものです。ただし、日々の活動によって、理想の状態に近づけることができます(ブランド・アイデンティティについては、下記記事をご覧ください)。
https://dotsmarketing.net/2021/09/27/brand_identity_toha/

また、消費者や顧客からのイメージは時間とともに変わっていくものでもあります。ぜひ、定期的にチェックするようにしましょう。

それでは、最後まで読んでいただきありがとうございました~!