こんにちは、管理人のRです。
この記事では、
「STP分析ってなに?」
「STP分析って、どうやったらいいの?」
という方に向けて書いています。
この記事は(一財)ブランド・マネージャー認定協会のテキストをもとに書いています。
また管理人は、ブランド検定3級資格取得者です。
目次
〇STP分析とは?
STP分析とは、漠然と存在するマーケットの中で、自社が効率的にビジネスを拡大できる方向性を見出すための分析手法です。「セグメンテーション(Segmentation)」「ターゲティング(Targeting)」「ポジショニング(Positioning)」の頭文字をとり、STP分析と名付けられています。
STP分析は、マーケティング&イノベーションの世界的権威として知られるフィリップ・コトラー氏により提唱された分析手法で、マーケティングやブランディングに関わる人であれば一度は聞いたことがあることと思います。
ある程度の現場経験を積んだ人なら知っていて当然ともいえる分析手法ですので、知らない方はこれを機会にぜひ覚えてしまいましょう!
〇STP分析の目的
STP分析の目的は、自社が誰に対してどのような価値を提供するかを明確にすることです。
STP分析は、漠然とした市場を「区切り」、どこを攻めるか「狙いを定め」、その中で「どう差別化を図るか」を一気通貫させて考える分析手法です。
この分析ができておらず、「結局、自社の商品って他社との違いが分からなくない、、?」みたいな状態になると、レッドオーシャンの中でひたすら価格競争を強いられ、結果利益が出ないビジネスをせざるを得ない状況になってしまいます。
自社にしか提供できない価値を見出すことで、価格競争から抜け出し、ビジネスを拡大させましょう。
〇STP分析のやり方
STP分析は、「セグメンテーション」「ターゲティング」「ポジショニング」どこから行ってもよいと言われていますが、一番わかりやすいのはセグメンテーションからと思います。そのため、あまり慣れていない方はセグメンテーションから行うのをオススメします。
それでは、それぞれやり方をご紹介していきますね。
1. セグメンテーション(Segmentation)
セグメンテーションは、漠然とした市場を「線引き」して細分化し、明確にすることを言います。
例えば、スキンケア用品の市場をセグメントしたい!となった場合、一案として下記のように区切ることができます。
区分けとなる軸は、ターゲットの生活環境や価値観、購買行動など、様々な要素が考えられます。
いずれにしても、このような形で市場を細分化することで、自社が戦うべき領域をはっきりと見える化することができます。
詳しく知りたい!という方は、下記記事をご覧ください。
https://dotsmarketing.net/2021/10/14/segmentation_toha/
2. ターゲティング(Targeting)
セグメンテーションで明確にした市場の中でどこを狙っていくか、それを選定するのがターゲティングです。
先ほどのスキンケアの例でいうと、上記の表のような形で、「色付けした場所を狙おう」と決めます。こうすることで、消費者が自社ブランドについて認知したとき「この商品はこんな特徴があるのか、、」と理解しやすく、またそのニーズがあれば購入してもらえる可能性が高まります。
また逆に、色付けしていない箇所は狙わない、と割り切ることで、ターゲットへの訴求や広告戦略等に迷いをなくすことができるため、その点においても非常に重要です。
詳しくは下記記事をご覧ください。
https://dotsmarketing.net/2021/10/15/targeting_toha/
3. ポジショニング(Positioning)
ポジショニングは、ターゲティングで決めた市場の中で、どのような位置取りをしていくかを明確にする作業です。
直接競合だけでなく間接競合も含め、下図のような形で競合との差別化ポイントを明確にします。
この図をポジショニングマップと言い、ここで自社と競合の間に明らかに距離がある場合、消費者は自社商品を際立った存在として認知しやすく、商品を購入しやすくなります。
そのため、どんな軸を設定すれば自社が際立つか、その検討がポジショニングにおいて最も重要な検討項目となります。
詳しく知りたい!という方は下記記事をご覧ください。
https://dotsmarketing.net/2021/10/17/positioning_toha/
ポジショニングまで完了すれば、STP分析も同時に完成となります。
〇STP分析のポイント
ここまで、STP分析の意味や分析のやり方について、お話してきました。
最後に、STP分析のポイントをお伝えします。
市場の大きさを考慮する
ターゲティングで狙う市場を決めるとき、単純に攻めやすそうな市場を狙うのもアリですが、一番大事なのは自社の強み×市場のインパクトです。
例えば、「スキンケア用品を決めるときの一番の決め手となるポイントは?」というアンケートがあったとして、「1位:機能効果(40%)、2位:香り(30%)、3位:使用感(20%)」という結果があった場合、一番インパクトがあるのは機能効果であることは間違いないですよね。
その時、自社も機能効果に自信があるのであれば、ぜひそこを狙うべき市場とおくべきだ、というのは理解しやすいと思います。
一方で、自社が「機能効果もまぁ訴求できなくはないけど、それよりも香りかな、、」という場合、ここはチーム内で話し合い、どちらを優先すべきかもう少し深堀って決めてもよいかもしれません。
いずれにしても、市場へのインパクトがあり、かつ自社の強みを活かせる要素があれば、そこから検討していくようにしましょう。
客観的に分析する
「分析」である以上、主観要素はできるだけ排除し、客観的に分析するようにしましょう。
ありがちなのが、自社のブランドや商品が好き過ぎて、どうしても他社より高評価をしながらポジショニングマップなどを作成したりしてしまうことです。
ポジショニングマップで主観評価が入ると、実際はそこまで競合との差はないのに、自社に大きなアドバンテージがあるように位置付けられます。しかし当然、消費者は「あまり変わらなくない、、?」と評価し、そのポジショニングマップをもとに組んだ戦略が台無しになってしまいます。
ここは外部パートナーの力を使ってでも、客観的に分析するようにしましょう。
定期的に更新する
STP分析を一度すべて完了したら、今後その結果をずっと使用したくなりますが、ここは定期的に更新していくようにしましょう。
例えば、ポジショニングでは競合との位置づけを明確にしますが、競合はいつ新しい商品を出すかもわかりません。
気がついたら、いつのまにか競合の新商品とポジションが丸被りしていた、なんてことも往々にしてあります(特に、ブランドが拡大し成功の兆しが見えたら、意図して真似してくる競合なども出てきます)。
そのため、ブランドマネージャー判断で定期的に更新していくようにしましょう。
〇おわりに
いかがでしたか?
「STP分析」と一言で言っても、実際は3つの要素が含まれており、それぞれの理解や作業が必要なため、使いこなすにはひと苦労かもしれません。
しかし、STP分析でポジショニングまでしっかり落とし込むことができれば、消費者にとって唯一無二のブランドになることができます。あまり分析できていないという方は、ぜひトライしてみてくださいね。
それでは、最後までご覧いただきありがとうございました~!