こんにちは、管理人のRです。
この記事では、
「ブランド要素ってなに?」
「ブランド要素ってどんなものがあるの??」
という方に向けて書いています。
この記事は(一財)ブランド・マネージャー認定協会のテキストをもとに書いています。
また管理人は、ブランド・マネージャー1級資格取得者です。
目次
〇ブランド要素とは?
ブランド・マネージャー認定協会では、ブランド要素を下記のように定義しています。
「ブランド要素」は、ブランド名、ロゴ、キャラクターなどがあり、これらは「ブランドを構成する最小単位のもの」である。
この説明を読んで「???」となった方、おそらく代表例を見ていただいた方が理解がわかりやすいと思いますので、さっそく9つの例をご紹介いたしますね。
〇9つのブランド要素
ブランド要素の代表例は、下記の9つです。
- ①ブランド名
- ②ロゴ、マーク
- ③色
- ④キャラクター
- ⑤パッケージ、空間デザイン
- ⑥タグライン
- ⑦ジングル、音楽
- ⑧ドメイン(URL)
- ⑨匂い(におい)
それぞれ解説していきますね。
①ブランド名
これはそのままの理解でOKで、まさにブランドの名称ですね。ブランドの世界観が端的に表されているか、を意識して設定すると良いでしょう。
【例】スターバックス:STARBACKS
②ロゴ、マーク
ロゴとマークは同じような使い方をされることが多いですが、厳密には違います。「ロゴ」は文字をデザインしたもので、「マーク」は図案や記号、商標の意味を持ちます。
【例】スターバックス:下図左がマーク、右がロゴ。
③色
色はそのままの意で、ブランドカラーですね。実際、あなたも好きなブランドを思い出すとき、色も一緒に思い浮かべるのではないでしょうか?
【例】スターバックス:緑
④キャラクター
サービスや商材によってはイメージしづらいかもしれませんが、キャラクターも重要なブランド要素です。東京2020オリンピック・パラリンピックにもにも「ミライトワ」「ソメイティ」というキャラクターが起用されていましたね。
キャラクターを起用すると、親近感を出すことができ、幅広い年代層にアプローチしやすくすることができます。また、商品やパンフレット、リアルイベントなどでも幅広く活用することができます。
【例】スターバックス:ベアリスタ
⑤パッケージ、空間デザイン
パッケージは容器や包装のことで、これも親近感や高級感を感じさせることができる大きなブランド要素になります。空間デザインも、「訪問した人に楽しんでもらいたい」「居心地良く過ごしてもらいたい」という想いがあれば、ブランドの世界観を感じてもらうことができる重要な要素です。
【例】スターバックス:容器は基本白または透明のシンプルなデザインにブランドマークを強調。空間はブランド・アイデンティティである「サードプレイス(第3の居場所)」となるよう、くつろげる空間に。
⑥タグライン
タグラインとは、簡単に言えばブランドのキャッチコピーのことです。消費者の印象に残りやすくなるよう、ブランド・アイデンティティよりもわかりやすく、具体的に設定する必要がある、と定義されています。
ただ調べてみると、ブランド・アイデンティティ自体がわかりやすいものであれば、タグラインも共通にしている(または混同されている)ブランドもあるようなので、ブランド・アイデンティティが抽象的だなと感じる場合は考えてみても良いかもしれません。
【例】スターバックス:サードプレイス
⑦ジングル、音楽
ジングルとは、短くリズミカルな曲のことです。「はっじーめてーの、アコーム。」「ピッカピッカの、一年生。」という言葉だけで、脳内に曲が再生されますよね。これがジングルで、消費者の記憶に残りやすい要素の一つです。
【例】スターバックス:なし
⑧ドメイン(URL)
いまの時代、オンラインでの購入方法がないリアル店舗などでも、HPぐらいはもっている企業がほとんどだと思います。ドメインは自社ブランド名や関連する言葉を英語表記にして活用するケースが多く、もしこれから準備する予定の方は、まずは自社ブランド名でドメインの取得が可能か、と調べてみて使用できそうならそのまま取得して使用するのが無難でしょう。
【例】スターバックス:starbucks.co.jp
⑨匂い(におい)
匂いは嗅覚にうったえるブランド要素で、「特定の記憶を呼び起こす」効果があると実証されているため、うまく活用すれば強力な要素のひとつになります。
ちなみに、大きな空港を利用したときって、なんだかリッチな気分になりませんか?もちろん、いつもと違う場所に行く高揚感で気分が違っているというのもあると思いますが、ANAではラウンジのエントランスやおしぼりなどに独自のブランドした香りを提供しているそうです。もしかすると、無意識的にブランディング戦略の恩恵を受けているのかもしれませんね。
【例】スターバックス:コーヒーの匂い(チーズなどの強い匂いを発する食品を禁止)
ここまでで、最初に定義にあった「最小単位」の意味を感覚的に掴めて頂けたかなと思います。また、スターバックスの例の通り、ブランド要素は9つすべて使う必要はありません(私はスターバックスの社員ではないので、実際はジングルなどがあるようでしたらすみません)。
ちなみに今回、ブランドマネージャー認定協会による代表的な9つをご紹介しましたが、人間の五感へ働きかけるものはブランド要素として扱えます。そのため、サービスや商材によっては、「言葉」「肌ざわり」「味」なども要素として扱っても良いかもしれません。そこはブランドごとにご検討頂くのが良いかなと思います。
〇ブランド要素の役割
ブランド要素は、消費者がブランドを思い出したり、競合と比較したりするとき、手がかりとなるものです。
例えば、要素の一つに「色」がありましたが、緑色のカフェといったらスターバックス、黄色のカフェと言ったらドトールを連想する方は多いのではないでしょうか。
それはやはり「色」というブランド要素が、あなたの記憶からブランドを呼び起こす手がかりとなっている、ということが言えます。
ブランド要素はいくつもあるので、「ちょっと決めるのめんどくさいな…」と思ってしまうかもしれませんが、そのすべてが消費者からの印象を左右する重要な要素です。
どの要素で記憶されても堂々とできるよう、しっかりと考えて決めるようにしましょう。
〇ブランド要素の決め方
ブランド要素は、消費者ではなくすべて自社で決めるもの(パートナーと作り上げてもOKです)です。
ただし、2つ注意点があります。
1:ブランド・アイデンティティに即しているか
ブランド・アイデンティティとは、ブランド独自の価値を一言で表したもので、何のためにブランドが存在しているか、と直接つながっているブランドの芯のようなものです。
そのため、ブランド要素を適当に設定してしまうと、「ブランドのミッションはかっこいい感じなのに、ブランドの色とかキャラクター可愛すぎない、、?」みたいな状態になってしまう恐れもあります。
要素を設定する際は「ブランド・アイデンティティは何か」を、常に念頭において設定してください。
※ブランド・アイデンティティについて詳しく知りたい方は、下記記事をご覧ください。
https://dotsmarketing.net/2021/09/27/brand_identity_toha/
2:すべて自社でコントロールできるか
自社でコントロールできないものは、ブランの要素として扱うことはできず、コントロール可能なモノに変更しなければなりません。
例えば近年、ゆるキャラが流行っていますよね。もしあなたが船橋市のブランディングをすることになり、もともとブランド要素の観点から定めていたゆるキャラがいた際、「ふなっしー」のような非公認キャラクターが世の中に登場しても、絶対に許してはいけません笑
その場合は、ふなっしーの存在を消しにかかるか笑、リブランディングする覚悟でふなっしーを受け入れる(コントロールできる状態にする)必要があります。
ふなっしーは結果オーライな気もしますが、通常はすべてコントロールしていくつもりで要素を設定しましょう。
〇おわりに
いかがでしたか?
今回、ブランドの最小単位であるブランド要素についてご紹介しましたが、そもそも「ブランド要素」という言葉にもなかなか出会う機会はないのではないでしょうか?
ブランド要素は、消費者がブランドと直に接するモノがほとんどですので、ブランド・アイデンティティとブレが発生しないよう、ぜひチーム内で議論して決めてみてくださいね。チームメンバーも「自分たちがブランドの礎を築いているんだ!」という意識が芽生え、楽しい議論になると思いますよ♪
それでは、最後までご覧いただきありがとうございました~!