こんにちは、管理人のRです。
この記事では、
「ブランド体験ってなに?」
「ブランド体験ってどう考えたらいいの??」
という方に向けて書いています。
この記事は(一財)ブランド・マネージャー認定協会のテキストをもとに書いています。
また管理人は、ブランド・マネージャー1級資格取得者です。
〇ブランド体験とは
(一財)ブランド・マネージャー認定協会によると、下記のように定義されています。
「ブランド体験(Brand Experience)」は、消費者・顧客がブランドと接するあらゆる機会のことである。「ブランド体験」は「ブランド要素」含んで設計される。また企業は「ブランド体験」を、一貫性を持って設計し、管理運用する必要がある。
定義に記載の通り、ブランド体験は、消費者のブランド認知から商品やサービスを利用した後までの、すべての接点のことを言います。一見、商品やサービスを利用したときのことだけを考えてしまいがちですが、認知向けに発信したテレビCMやサポートセンターの対応など、すべてが含まれることになります。
ちなみに、「ブランド要素」については下記記事に詳しく記載していますので、よければこちらもご覧ください。
https://dotsmarketing.net/2021/10/02/brand_youso_toha/
〇ブランド体験の考え方
下図の通り、消費者の行動や思考を意識しながら5つのステップで設計していくとよいです。
それぞれ解説していきますね。
①体験前(認知)
『体験前(認知)』は、消費者がブランドを認知する段階です。
この段階では、テレビCMやチラシ、SNS、WEB広告など、様々な接点が考えられます。自社が注力している施策を中心に、どういったコミュニケーションや訴求をすればより興味をもってもらえるかを考えることが重要です。
②体験中1(購入検討~購入)
『体験中1(購入検討~購入)』は、商品やサービスに興味を持った状態から実際に購入するかどうかを検討している段階です。
ここで最も重要なのは、商品やサービスの提供価値をいかに理解してもらえるかです。
商品やサービスの提供価値を「機能的価値」「情緒的価値」に分けて整理しながら考えつつ、店頭販売やLPなど、購入までのあと一歩を押してあげられるようなコミュニケーションを考える必要があります。
ちなみに、ブランド要素の中で比較的扱いが難しいとされる「ジングル(音楽)」や「匂い」は、この段階で消費者にアプローチすると、より効果的に機能させることができます。
③体験中2(使用中)
『体験中2(使用中)』は、実際に商品を購入し、使ってみた状態の段階です。
この段階は、商品やサービスの質が消費者の期待を裏切らないこと、付加価値で期待以上まで持っていくことが重要になってきます。
商品力が至らない場合は言うまでもなく見直しが必要ですが、購入後のサポートや包装のされ方によって印象は大きく変わります。
実際に商品を購入したらどのようなコミュニケーションをされるのか、企業側は意外と見落としがちだったりしますので、一度消費者目線で体験してみるとよいでしょう。
④体験後
『体験後』は、消費者が商品やサービスを使用した後、評価をしている状態です。
商品購入後にメルマガ等で「使ってみて、何か気になるところはありませんでしたか?」とコミュニケーションをとってみたり、SNSに誘導して商品やターゲットの生活環境に役立ちそうなコンテンツを発信するなど、より商品やサービスを好きになってもらう取り組みをすることで評価が高まり、再び商品を購入していただける可能性が高くなります。
数字で見えづらい取り組みこそ消費者は情を感じやすいポイントでもあったりします。
⑤再体験検討
『再体験検討』は、一度体験したブランドを評価し、もう一度体験しようか検討している段階です。
ここでは、消費者は迷いつつも時間が経って忘れてしまったり、競合の商品に興味を持ったりしている段階です。そのため、アプローチをするタイミングが非常に重要になります。
日用品などの消費アイテムであれば、商品を使い切る少し前のタイミングでコミュニケーションをとるなどを検討していきましょう。
そして実際に「もう一度利用しよう!」となった場合は、最初の図の通り、再び②に戻ることになります。
〇ブランド体験戦略のポイント
ここまでで、ブランド体験の考え方はざっくりイメージできましたでしょうか?
それでは最後に、ブランド体験を設計するうえでのポイントをお伝えします。
一貫性を持たせよう!
ブランド体験の図で、中心に「ブランド・アイデンティティ」があったことにお気づきでしょうか?
ブランド・アイデンティティとは、ブランド独自の価値を一言で表現したもので、例えばスターバックスでは「サードプレイス(第3の居場所)」というコピーがそれにあたります。
ここでお伝えしたいのが、認知から再体験検討までの段階において、すべて一貫性を持たせておくべき、ということです。
一貫性のないコミュニケーションでは、統一感がなくなってしまい、消費者からブランドへの憧れを得づらくなってしまいます。人とのコミュニケーションと同じで、言行一致であるからこそ信頼され、共感を得ることができます。
一度、先ほどのブランド体験を作成し終えたら、どこかにブランド・アイデンティティとずれてしまう箇所はないか、見直してみることをオススメします。
ちなみに、ブランド・アイデンティティについてもう少し詳しく知りたい、という方は下記記事をご覧ください。
https://dotsmarketing.net/2021/09/27/brand_identity_toha/
〇おわりに
いかがでしたか?
ブランド体験は、消費者目線でブランドと関わるとどう見えるのか、これを意識できるかどうかがとても大切です。
「消費者目線への切り替えがなかなか難しい…」という方は、普段本当に消費者として気に入っているブランドや商品について考えてみてください。きっと気に入っている理由がどこかにあって、それを自社ブランドに活かせるかもしれませんよ。
それでは、最後までご覧いただきありがとうございました~!